Archive for 5月 31st, 2011

5月 31

情熱ナレーター

先日は、久しぶりの東京出張。(昨年夏のNANIWAのLIVE以来?)東京でナレ録り(*)をするためです。
大概は、大阪で仕事を済ませることができるのですが、今回は超売れっ子(って言い回しが軽いですね ^_^;)
大ベテランナレーター窪田 等さんにナレーションをしていただくために東京のMAスタジオ(*)へ行きました!

窪田さんと言えばドキュメント番組「情熱大陸」のナレーションで知られていますが、

実は窪田さんご自身が、物作りに対する思いは「情熱人」なのです。(詳しくは後ほど)


スタジオは、大阪本社でいつもお世話になっている

戯音工房(ぎおんこうぼう)さんの東京支社(麻布十番)です。

音の専門会社と言うことで、CDショップのように数えきれんくらいの
CDが並んでいます。
音効さん(ミキサーさん)は、この膨大なCDの中から
映像に合う曲を選曲して下さいます。(めちゃ大変・・・)





MAルームは右のような感じ→

でミキサー卓前に座っているのが音効さん。

右奥にチラッッと電気スタンドが見えているのがアナブース
(ナレーターさんがこもる個室)





大抵、音効さんの後ろにお客さん用ソファと我々が座るD卓
というのがあります。

←D卓にはボタンがついた箱があって、ディレクターは二つのボタンを
 使います。



左下の赤いのが「CUE」ボタンと言って、ナレーターさんに
「ここから読んで下さい!」という合図を送る時に押します。
右下の「TB」が「トークバック」と言って、このボタンを押すと
個室のナレーターさんにこちらの声が聞こえます。
上のボタンはよくわかりません(^_^;

音効さんに尋ねたら「触らないで頂けたら有り難いです」
と言われたので、本番中に間違って押さないよう、気をつけました。

たまに「CUE」ボタンを押しながら必死でしゃべって何も聞こえてない
とか、逆に「CUE」のつもりで「TB」を押して読み出しが遅れたり・・・
という間抜けなことをする時があります(^◇^;)

いつものごとく前段が長くなりましたが。。。

窪田さんにお会いするのは、昨年のGW以来。(詳細は2010年5月7日でご紹介)
お仕事でご一緒するのは、随分と久しぶりだったので、すっごく楽しみ〜!

なんたって、全国でトップクラスのナレーターさんです(*^_^*)
今回も窪田さんのお仕事に対する真摯な姿勢に感服いたしました。

例えば・・・
台本の下読みでは、正しい日本語の再確認はもちろんのこと
聞き手に解りやすい内容であるかどうかを基本に
映像やテロップなどと合わせた時に解りやすいかどうかも考慮しながら
打ち合わせして下さります。
これは、めちゃ勉強になります。ぴったりな言葉が見つからない時は、「う〜ん」と頭を悩ませる時もありますが「これでどうでしょうか〜?」
と出した案に対して「いいね!わかりやすくなった!」
と言っていただけるとめっちゃ嬉しいです(^^)

ナレーションを短くするために文言をはしょっている部分があると「言葉が隠れてるけど、これはこういう意味だね?」
と言って、文章を変えなくてもわかる読み方をして下さるのが驚き。
一つ一つの「言葉」を真剣に吟味するには時間がかかりますが、その分、作品のグレードが上がっていくのが物作りの楽しさ!
と実感できます。
練り上げた台本を映像に合わせて読んでいただく時にも、当ててみてしっくり来なければ「もう一回、○分○秒から見せて下さい」
と見直しされ、映像と音楽、SE(*)全てのタイミングを計りながら読み具合を自由自在に操る職人技
というよりも「ナレーション演出」と言う方が合っているかもしれません。

そして、最も窪田節が発揮されるのが、映像に対して言葉が少ない時。

「間」の使い方が絶妙なんです。
どこに「間」を作るか
どれだけ「間」を取るか
どんな思いを「間」にもたせるか・・・。

そこにある映像と音を最大限に生かすナレーションをつけて下さいます。
作品を大切に扱って下さるのはホンマに作り手冥利につきます。

窪田さん、素敵なナレーションをありがとうございました!

次回、またご一緒できる日を楽しみにしております☆



*ナレ録り:ナレーションを録音すること

*MAスタジオ:MAとはMulti Audioの略。映像に音楽や効果音をつけたり、ナレーションを録音したり、

テレビまたはビデオ作品の最終段階の作業をしてもらうスタジオ

*SE:Sound Effectの略、日本語では「音響効果」。音楽以外の効果音を指します。